僕の飼っていた猫「銀」のお話

読了時間:約 2分

心霊にまつわるちょっといい話

ここに書いてある「背後霊」のお話を見たとき何故か昔飼っていた猫の事を思い出しました。

僕がまだ小学5年生ぐらいのお話です。


その当時、猫を飼っていました。
といっても、その辺のノラネコを餌付けしていただけですが。

その当時、アニメでやっていた銀牙 -流れ星 銀-が好きで(犬さんですが)

さらに風貌というか気質というか、なんか孤高な感じがする猫だったので「銀」と付けました。

ちなみに見た目はGoogleで猫と画像検索した時に一番目に出てくる黒チャトラン?でした。

自分が住んでいたのは雨が降ると雨漏りするようなアパートの一階で、
さらに田舎(春日部市牛島)だったせいもあり、銀のために常時ベランダ側の窓を少し開けっぱなしでした。

昼間、銀は家には居なくて、でも学校から帰ってくる時、
家の近所で「ぎぃ~ん!」って呼ぶと、どこからともなくやって来て、
僕の周りを「ゴロニャン!」って言いながら2~3周してまた何処かへ遊びに行ってしまいました。

銀は夜になると帰って来ました。

そうすると、川の字で寝ている僕の所に来て、
ゴロゴロ言いながら、囁きに近い声で「ニャ」と言います。

そこで、ちょっと掛布団を開けると、のっそり入ってきて
腕の所で丸くなって寝ます。

毛並みのやわらかさと銀の体温で僕は夢見心地になります。

すごく苦しい夢をみました。
ふと目覚めると胸の上で銀が寝ていました。
そりゃ苦しいわ。

ある時、銀が全然帰ってこなくなりました。

猫は自分の死に際が分かっていて、
死期を悟ると誰にも見られない場所で死んで行くといいます。

母親が「銀はもう帰ってこないよ」と言いました。

その間、妹は泣きじゃくり、僕は悲しい気持ちになりました。

一週間ぐらいしたある日、銀が帰って来ました!

「銀!よかった~。死んでなかったんだね!」

家に戻って来るなり、銀はばったり倒れました。

そのまま動物病院に行きました。

お医者さんからレントゲンを見せられながら説明を受けました。

「この子、心臓と胃が体の中で逆転してるよ。多分バイクかなんかに轢かれたね」

その日の夜、銀は逝ってしまいました。

ああ、苦しみながらも銀は帰ってきてくれたんだ。

最期の力を振り絞って銀は帰ってきてくれたんだ。

すげえ猫だぜ銀。

なんとなくだけど、僕の守護霊は銀だと思う。

これからも銀に見守られながら生きていると思うとすごく安心する。

あの毛並みと体温を感じながら。


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